「オススメ」の投資にはご用心‼︎
証券会社や雑誌の記事などにオススメの投資テーマが紹介されていますが、投資テーマに則った投資は有効なのでしょうか?過去の投資テーマを検証して、テーマ投資のポイントを探ります。
「バイオバブルの後はどうなった?」
直近で大きなテーマとなり、バブル化したのが2013年のバイオバブルです。
京都大学の山中教授が「iPS細胞」でノーベル生理学・医学賞を受賞したのをきっかけに、バイオ関連銘柄が急騰しました。創薬に成功してバブル時より上昇している会社もあります。しかし、多くの会社は大きな成果を上げておらず、下落しているのが現状です。
「ITバブルの後はどうなった?」
2000年代に起きた1番大きなテーマであり、バブル相場であったITバブルも見ておきましょう。
ITバブルはWindowsで有名なMicrosoft社が、高い業績を上げたのが原因で起きたバブルでした。その後、IT関連の投資が過熱していき、日本のIT関連銘柄も急騰しました。
ITバブル時に急騰した銘柄にはソフトバンク(9984)、NTTドコモ(9432)など、日本を代表する優良企業も入っています。しかし10年以上経っても未だに当時の株価を超えることは出来ていません。
「どんな時も『投資の原則』を忘れてはいけない」
IT、バイオ共にこれからの時代を作っていく重要なテーマで、投資先としても有効でしょう。
しかし、過去の事例からも分かるように、重要なテーマも投資でも注意は必要です。10年以上経っても、大きな損失を抱えることもあり得るからです。
「これから10年、20年先も成長し続ける産業だ!」と思っても、しっかり会社の分析をして、「価値のある企業」かどうかを見極める必要があります。また、企業価値と株価が大きく乖離し過ぎていないかをチェックすることも重要です。株式投資の原則は「安く買って、高く売る」です。今が旬のテーマだからという理由で、この原則を曲げてはいけません。
文責:中島 隆