「日本財政が悪化している」と日経新聞に書いてあるけど大丈夫なの?
ミラプロ中島です。
お客様から
「日経新聞に、日本財政が悪化していると書いてあるけど、日本に投資をしていて大丈夫なの?」
と質問をいただきました。
結論を先に言うと、
日経新聞が述べている理論にはかなり無理があり、日本財政が悪化する傾向は今のところ見られないと考えています。
この結論について説明するために、
日経の「日本財政が悪化している」という記事を基に解説します。
下記は1月20日の日経新聞
「10年後の支払い金利3倍 政府の持続性に疑問」の一部抜粋です。
“投資マネーが日本国債を敬遠している。19日は長期金利が2.27%台を付けた。次期衆院選を控え与野党に消費税減税論が台頭し、財政悪化への警戒が強まっている。10年後に政府の支払金利が2024年度の3倍に近づくとの試算がある。政府の利払いが財政を圧迫する中で税収が減るとの観測が浮上し、財政の持続可能性に疑問を持つ関係者が増えている。”
記事の全文URL
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO93861020Q6A120C2EA2000/
この抜粋記事を読むと、主に2つの点が書かれています。
① 財政悪化懸念で日本国債が売られ、長期金利が上昇。
※債券価格が下がると金利は上がり、債券価格が上がると金利は下がります。
② 金利が上がれば、政府の国債の支払い金利も増え、日本財政が悪化していく。
まずは①からお話をします。
現在、日本の長期金利が上昇している背景には、財政要因だけでなく、複数の要因が重なっています。
特に大きいのが、日本株の上昇です。
株式と債券は一般的に逆相関の関係があり、株価が上昇すると、相対的に債券が売られやすくなり、金利が上昇します。

高市首相が2025年10月4日に自民党総裁に就任してから、1月22日までに日経平均株価は約20%上昇しています。この水準の株高が続けば、債券価格が下落し、長期金利が上昇するのは自然な流れです。
さらに、2025年12月には日銀が政策金利を引き上げ、2026年も追加利上げの可能性を示唆しています。政策金利と長期金利は一定の連動性があるため、長期金利が上昇しているのは自然なことです。
逆に、本当に財政悪化が懸念されているのであれば、長期金利が2%台で止まっているのは不自然なことです。
例えば、2011年の欧州債務危機(いわゆるギリシャショック)では、
実際に財政破綻したギリシャの長期金利は、危機前の4~5%水準から、破綻時には35%超まで急騰しました。
また、破綻はしていないものの、財政不安が強く意識されたイタリアでも、
危機前の4~5%水準から、一時は7%まで上昇しています。
高市首相が自民党総裁になる前の長期金利が約1.6%、日経の言う財政が悪化している1月20日時点で2.27%。
これらと比較すると、日本の長期金利が2%台で推移している状況を「財政悪化懸念が原因」と説明するのは、論理的に無理があると言えるでしょう。
次に、
② 金利が上がれば、政府の国債の支払い金利も増え、日本財政が悪化していく。という点について説明します。
②は一見すると事実のように見えますが、日本においては、国債の利払いの増加=財政悪化につながらない特殊な事情があります。
日本国債の約44%を保有しているのは日銀です。

※財務省の「令和7年9月末 国債等の保有者別内訳」
そのため、国債の利払いの多くは日銀に支払われています。
しかし、日銀が受け取った利払いは「国庫納付」として、ほとんどが国に戻ります。
「え!日銀に払った国債の利払が国に戻るの?本当なの!?」
と思うかもしれませんが、これは事実です。
下記URLの日銀HPの(3)剰余金処分の状況に、国庫納付の記載があります。なお、国庫納付には国債の利払いだけでなく、日銀が買い付けたETFの配当などもここに含まれます。
https://www.boj.or.jp/about/account/zai2505a.htm
また、日本国債の日銀を含めた国内保有比率は約88%、日銀を除く国内金融機関の保有比率は約30%となっています。
国内金融機関に利払いとして支払われたお金は、融資や投資につながるため、日本の税収増につながる可能性が高くなります。税収が増えれば、財政は健全化していきますので、ポジティブな利払いと言えます。
そのため、現状では利払いが増えても、日本の財政が悪化するリスクは非常に小さいのです。
日本国債の海外保有比率が30%、40%と上がっていけば話は別ですが、その兆候も今のところは見られません。
改めて結論ですが、
日本株が大幅に上昇し、かつ日銀が利上げ局面に入っている時に、日本の長期金利が2.2%程度で「日本財政が悪化している」とする論理には無理があると考えています。そして、長期金利が上がれば当然、日本国債の利払いは増えますが、日本国債の約44%を日銀が保有しており、利払いの多くが国に戻るため、財政の持続可能性に大きな問題はありません。
そのため、財政のことは過度に気にせず、資産運用を行ってください。
ただし、ニュースやSNSを鵜呑みにせず、投資先を分析することは忘れないでくださいね。
本当は日本財政についてもう少しお伝えしたいのですが、だいぶ長くなってしまいましたので、続きは1/31(土)「ライフワークの創り方」セミナーでお話しします。興味がある方はぜひご参加ください。
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