「サナエノミクス」の本質を知らないと、投資チャンスを逃す⁉︎
ミラプロの中島です。
先日は「ライフワークの創り方」で、高市政権の経済対策についてお話ししてきました。

また、お客様との面談の中でも、
「なぜ高市首相になって急に日本株が上がったの?」
というご質問を多くいただきます。
実は、高市首相による経済政策、いわゆる“サナエノミクス”を正しく理解していないと、これから日本株に訪れる大きなチャンスを逃してしまう可能性があります。
今回のブログは少し長めになりますが、投資家にとって非常に重要な内容です。しっかり理解して、日本株投資に活かしていただければと思います。
11月21日、昨年の13.9兆円を大きく上回る 21兆円規模の経済対策が発表されました。中身も本格的な施策が多く、GDPの押し上げ要因となるだけでなく、株高につながる可能性も高い内容です。
ポイントは、なぜ昨年よりも大規模な経済対策が可能になったのか?という点です。
実は、約30年もの間、歴代首相がどれほど効果的な政策を実行しようとしても阻まれてきた壁を、高市首相はついに突破したのです!
高市首相が突破した壁とは
「プライマリーバランス(PB)=税収などで集めた国のお金 - 支出」の 単年度黒字化目標の撤廃です。
そして、中長期的に財政を健全化していく “責任ある積極財政” へと舵を切った点にあります。
これだけ聞くと
「それの何がすごいの?」
と思われるかもしれません。
しかし、これは日本にとって“革新”と言ってよいほど、極めて大きな転換なのです。
日本のGDP(国内総生産)の内訳の画像を見ながら、PBの単年度黒字化をやめるメリットについてお話しします。
PBの単年度黒字化をやめて、高市政権が掲げる「責任ある積極財政」に基づいた大規模な経済対策を行うことで
個人消費(青)、政府消費(緑)、企業の設備投資(グレー)が増えることになります。

その結果、円グラフ全体が大きくなるため、名目GDPが上昇し、税収も増えていきます。さらに賃金も上昇する傾向が強まり、国民の手取りが増えることで個人消費がより刺激され、景気が良くなっていくのです。
高市首相がやりたいことは、端的に言うとこういうことです。
一方で、PBを単年度で黒字化するということは、政府が「歳出削減」か「増税」を行い、手元の資金だけで政治を運営するということを意味します。
歳出を削減すれば、政府消費(緑)や企業の設備投資(グレー)が減り、GDPが低下。結果として国民の給与も減少します。

個人への増税であれば、手取りが減ることで個人消費(青)が落ち込み、GDPも低下します。
企業への増税なら、設備投資(グレー)や社員の給与が抑えられ、その結果、個人消費も弱まり、GDPが低下していきます。
PBの単年度黒字化を目指すとは、端的に言うと、消費が落ち込み、GDPも低下して、国民の給与が増えない傾向になります。
このように、日本は約30年にわたり、PBの単年度黒字化という「縛りプレイ」を続けてきました。これが「失われた30年(経済が成長せず、デフレに苦しんだ時代)」の原因の一つとも言われています。
ここまで説明すると、お客様から
「この話は政治をしている人なら分かっているはずなのに、なぜPBの単年度黒字化にこだわって、GDPも給与も増えない政策を続けていたのですか?」といった質問をいただきます。
その答えは、
日本の債務比率(対GDP比)が200%超えて、世界NO.1の借金大国のため、日本が破綻しないように財務省が主導してきたからです。
「それなら、高市首相の積極財政は危ないのでは?」
と思われるかもしれませんが、現状では全く問題ありません。
国家の財政危機リスクが高まると数値が上昇する「CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)」という指標がありますが、高市政権の経済対策が発表されても、CDSの数値は全く変動していません。つまり、市場は「問題なし」と判断しているのです。

※inbesting.com Japan CDS 5 Year USDより
なぜCDSの数値が上昇していないのかと言うと、日本の純債務(負債-資産)比率は対GDP比で約130%と、実は先進国でもトップクラスの財政健全国だからです。
本来、国や企業の財政状態を判断する際には、負債だけではなく、資産と負債の両方を見るのが基本です。例えば、借金が1億円あっても、資産が2億円あれば問題はないのです。しかし日本政府では長年、負債だけを強調し、「世界NO.1の資産大国」という事実を無視した財政運営を続けてきました。そのため、日本人でも日本国が、世界NO.1の資産大国という事実を知らない方もいると思います。
「なぜそんな不自然なことが行われてきたの?」
と思われる方もいると思いますが、その背景には特殊な政治的経緯があるため、別の機会に改めてお話ししようと思います。
重要なのは、
高市首相が『PB単年度黒字化』という約30年続いた呪縛を解消したという点です。これは日本の歴代首相が誰も実現できなかったことです。
これにより、日本はようやくGDPを拡大し、国民の手取が増えて、健全に企業収益・税収を増やし、結果として財政を中長期的に健全化するという本来あるべき財政運営が可能になります。つまり、日本株にとって非常にポジティブな政治が始まったということです。
なので、
「高市首相になって、急に株が上がったから売っておくか」では、株価を見ているだけで、ことの本質を捉えていません。
「サナエノミクスにより、日本経済が健全に成長をする政治が始まった」
だから株高になっており、むしろ株高の本番はこれからになる可能性が高いと考えています。
今回の21兆円の経済対策はあくまで補正予算です。
もう少ししたら、一般予算(2026年4月~2027年3月)が出てきます。この内容の見極めが重要ですが、「飲み会より政策研究」の高市首相なら、良い内容を作ってくれる可能性が高く、僕は久しぶりに政治に期待しているところです。
とはいえ、日本株なら何を買っても良い訳ではないので、しっかり投資先を厳選してくださいね。
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